事業を始める時の基本として、起業家はまずビジネスプランを興して、出資を募る。
出資してもらうためには魅力のあるビジネスプラン(事業の発展性と出資者へのリターン)を書く必要がある。
ビジネスプランを書いて出資を募る人は、「お金があれば、お金を増やせる」というスタンスで動いている。
決して無から有を生み出す事業ではなく、価値を拡大する事業なのである。それはそれでとても意義がある。

お金をもらってから出来るか出来ないかやってみなければわからない開発に取り組むのは事業ではないし、そんな出資を募ってはいけない。

なので投資家(もしくはカモ)は、投資募集案件を見たとき、最低限その事業は価値を持っているのかそれともまだ持っていないのかを見極めなくてはならない。

次にその事業にどのようにお金が入ってくるのかが重要だ。
電力会社は住民から自動的に毎月毎月料金を徴収するシステムを持っている
太陽電池を敷き詰めて発電する企業がある(SBエナジーなど)。こういった企業は、現段階では個々の利用者から料金を徴収するのではなく、電力会社に買い取ってもらう(契約に基づいて買い取らせる)というビジネスモデルでやっている。これも立派な収入のシステムだ。

フリーエネルギー事業という夢を謳って出資を募る会社があるとする。
たとえば、この機械を家に置けば無限に電力が取り出せるものがあるという。
こういった会社に投資する時に考えなければならないのは、どうやって利用者から料金を徴収するかである。
機械の販売収入だけなんてビジネスプランはありえない。既存の電力会社以上に毎月のキャッシュフローを得る事業でなければ投資する価値はない。そして普通の投資家ならば、既存の電力会社や石油会社を困らせる事業は上手く行かないようになっていることを知っている。
現実を見れば投資なんかできないが、夢を見れば投機できる。それも一興(笑)
中には詐欺目的でフリーエネルギー事業の話をする人もいるかもしれない。そんな詐欺師が狙っているのは現実主義の投資家ではなく理想主義(夢想主義)の投機家もしくは、カモなのだ。

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人間は大きく分けて、現実主義者(リアリスト)と理想主義者(ロマニスト)がいる。
これは生まれつきのもので、男を女にすることができないように死ぬまで変わらない。

組織論で見た場合、理想を抱き夢を語ることが許されるのはリーダーか平社員だけである。
中間管理職は、夢を語ることは許されないし、語ったところで組織が上手く行かなくなる。

平社員の理想主義者はリーダーを追い、現実主義者は会社を追う。
そしてリーダーはやがて会社を去り、二代目が跡を継ぐ。この二代目はトップであることには変わりないが、多くの場合はリーダーではなくマネージャーである。(大企業のことごとくがそうである)
困ったのは理想主義者の平社員である。彼等は理想を抱いて夢を語ってくれる人を追いかけるから、決して現実主義者のマネージャーについていくことはない。しかたがないので、居もしない先代の像をイメージするか、自ら夢と理想を作り上げそれを目標に仕事をすることになる。

理想主義者は現実主義者を「つまらない奴だ」と思いつつ更生しようなどとは思わないが、現実主義者は理想主義者を更生しようとするケースがある「いつまでも夢なんて見るな、現実を見ろ」と。そうして現実主義に更生したところで、1人のパワーは消失する。適材適所を捨てた大きな社会や会社では没個でも已む無しだと皮肉っておこう。

・・・おかげで、理想を掲げて夢を見るはけ口としてアトリエペンギン的活動は成るのだ。
理想が夢想に傾倒せずにいるのは、普段はそんな現実社会に揉まれているおかげだと思えば、全てがありがたい。