地上1mとか50cmとかの放射線量を測る人がいる。

測定値を正確なものにするために、決められた道具で決められた手順で行わなければならない。それはわかる。メジャーを1m引っ張り出して長さを確認して、地上1m地点に計測器を構える。その体制のまま10秒なり30秒なり決められた秒数を測定する

詳細は知らないけど、概ねこういう手順になっているはずだ。

決められた手順どおりに仕事をすると給料がもらえる。

もし、私がこの仕事を請け負ったら、私はサボりたがりなので、メジャーなんか使わず、1mと50cmの棒を自分で用意してしまう。その棒を一脚にしてその上に計測器を載せれば、高さを測る作業もせずに済むし、手で持ち続けるより高さが一定に保たれる。良いことばかりである。

しかし、問題はそこではない。

1.私がやっていることは標準作業を逸脱した行為なのである。
2.私の行為は同じ作業をする多くの人を怒らせる行為なのである。(楽して儲ける人を怒るでしょう?)
3.私企業では作業の単純化と高精細化は正義であるが、役所仕事では必ずしもそうではない。
4.作業手順を決めて承認した偉い人々を困らせる行為なのである。
5.上司によくわからない理屈で注意させてしまうことになる。
つまり一言で言えば、社会の(稚拙な)秩序を乱す行為なのである。 

現場の人間が自分勝手に作業のやり方を変える。例えば5分ごとにボタンを押せと命令したのに、現場の人間がプログラムを組んで自動ソフトに同じ作業をやらせていた。

原子力発電所などでは、現場の人間はまじめで馬鹿正直な方がよい。役所でもそうだ。作業手順を見て「こうやった方が楽だとかこうやった方が安全だ」とか”余計なこと”を考える人間は危険だ。軍隊でもそれは絶対だ。

軍隊でも役所でも巨大企業でも、ブートキャンプでしっかりと教化をしなければ、その組織にとって余計なことを考える人間が出てくるかもしれない。

社会に役立つアイデア、自分や周りの人が楽をできるアイデア、安全のためのアイデア、いろんなアイデアは個々人の頭から無尽蔵に沸き出てくる。それをどこで実践するか、どうやって活かすかというのも一つのテクニックだ。同じアイデアでも環境によっては潰されたり、賞賛されたりするものだ。ここでも現実を見る目が必要となる。