世の中にはできることとできないことがある。法律的に論じるか、技術的に論じるか、または倫理的に論じるかで、これはできてこれはできないという結論になる。ここでは技術的に論じる。

Aさんはスマートホンを持っている。
通信会社は技術的には
・Aさんがいつどこにいたか知ることが出来る。GPSで数mの精度までわかる。昔は基地局範囲しかわからなかった。
・電話やメールの内容ももちろん知ることができる。
・スマホのカメラやマイクをAさんに知られずに動かして、会話の内容や周囲の様子も知ることが出来る。
・Aさんの交遊録(電話帳)も知ることが出来る。
・Aさんのスマホは指紋認証機能があるとすると、Aさんの指紋も知ることが出来る。
・Webサイトの暗証番号も知ることが出来る。SSL認証以前にキータッチを記録できるのだから 。

これらは技術的にはできる。
倫理的にはできない。
法律的には・・・・できる。つまり警察はこのやり方で捜査なり情報収集なりをしてよい(コンピュータ監視法案)

ほとんどの人は警察のお世話になることはないが、殺人事件などあって犯人が逃走した場合など、もし犯人が携帯電話を持っていたとしたらすぐに特定されてしまう。警察は現場で指紋を取るのももちろんだが、死亡推定時刻にここあって、その後ここから移動した携帯電話を特定するのが手っ取り早いかもしれない。この究極の形が体にマイクロチップを埋めましょうというシステムだ。
指紋認証機能付きのスマホはかっこよく見えるが、指紋登録をしたあとに、(技術的に)そのデータが通信会社に送られて警察のデータベースと照合が行われうると思うと、あまり気持ちのよい話ではない。手配犯なら次の瞬間警察が飛んでくるかもしれない。

しゃらく事件というのがあった。駅の券売機のタッチパネルを触った人間の顔写真と指紋を採取するものだ。これも技術的にはできる。わざわざ自分の指紋を他人に教える必要はない。

「そんなことはありえない 」という人は、倫理的にありえないと言っているにすぎない。法律的には・・・よくわかんなーい。技術的には・・・よくわかんなーい。その「倫理」でさえ自分の持っている無知な倫理を世の中はみな同じ倫理だと拡大解釈しているにすぎない。市民の倫理と国家の倫理は全く違う(良い悪いじゃないよ)。

今ではほとんどのノートPCにはカメラとマイクが付いている。ハードウェアメーカーやOSメーカーはもちろんユーザに知られずに操作してユーザの顔写真や動画や音声を取得することが技術的にはできる。ウイルスやハッキングなどで、Webカメラが勝手に操作されて画像や会話内容が第3者に知られることもある。
私はカメラを使わない時は黒いテープを貼ってます。技術的にされうることに対抗する基本は物理的にできなくすることだ。デジタル機器なんて持たなければ、個人情報漏えいの不安もない。

デジタル機器の普及で世の中はだいぶ便利になったように見えるが、もう情報過多で疲れてしまった。 情報なんていらないよという風潮が高まればデジタル通信機器は急速に廃れる運命にある。もう自分の中では情報化時代はピークを過ぎた。自然との共生、江戸文化への回帰に移行したい。

追記 2013.9.20

iPhone5Sはホームボタンに指紋認証センサ(Touch IDセンサ)を内蔵している。紹介ビデオでは以下のことを述べている。(技術的にできることの証左でもある)
・すべての指紋情報は暗号化され、新しいA7チップのSecure Enclaveに保存されます
・情報にアクセスできるのは、Touch IDセンサーだけです
ほかのソフトウェアには使わせず、Appleのサーバには保存せず、iCloudへのバックアップもしません