円高と円安はどちらがよいかは、立場によって違う。
2016091001

日本政府は円安を歓迎する。テレビ局もそれに従う。製造業も円安を歓迎する。株主も円安を歓迎する。

しかし、円で給料をもらって円で買い物をする従業員は全く立場が異なる。自分がもらう給料の円の価値は高い方がよい。

経営陣が円安を歓迎するのはよいが、経営する立場にない従業員がそれに同調するのはどうなのだろうか疑問に思う。
会社員の自分が、政府や経営者と同じ立場にいると思っているのだろうか?

円が安くなるということは相対的に外貨や証券やGoldが高くなるということだ。円安へのリスクヘッジとしてそういったものに投資するのもありだろうが、先に投資しておいて円が安くなることに期待するのも疑問に思う。

外貨に比べて日本の円は信頼性があるから高いという。担保となるのは国民の労働力だ。日本人はよく働く。いや働き過ぎる。

労働力と円の関係を考えてみる。

給料20万円なのに、30万円分の価値ある仕事をする。
または、20万円分の価値の仕事をしているのに、給料が10万円だったりする。

支払われる給料(円)以上に価値のある仕事をすると個々の給料に”円高”が発生する。これが日本全国で毎月行われると、日本国内でものすごい円高が発生する。つまり雇用者の搾取や、労働者のサービス残業は円高に繋がる。

日本政府は円高は困る。政府と一体となるトヨタのような大企業も円高を嫌がる。
そこで政府やトヨタが何をするかというと、円の価値を下げることを行う。
政府は国民の労働力から得た税金を湯水のように無駄に使う。償還の宛のない(ない方がよい)米国債を何兆円も買うのもよい。採算性のない(ない方が良い)施設や工事に使うのもGoodだ。
国の産業を担う大企業は、従業員の20万円分の価値の仕事に対して30万円とか50万円を支払う。
そうやって円の価値を下げ、外貨に対して円高になりすぎないようバランスを取る。

こんなバランスの取り方はおかしい。もっと穏やかにバランスを取るにはどうすればよいか。
個々の国民が給料以上に働き過ぎないというのがまず考えられる。諸外国の労働者はみんなそうやっている。
定時で帰るし、ほどほどに手を抜くし、何ヶ月もバケーションに出る。
でも日本人はおそらくそれができない。極端に言えば給料なくても働いてしまうだろう。
だから安い給料に合わせて労働の質を下げることは望めない。かといって、質の高い労働に見合った高い給料を支払うことに雇用者は反対するだろう。

無駄使いできるほど円の価値が高いというのは、その立場にいる人々にとっては悪いことではないのかもしれない(皮肉)

マルクスを読みたくなってきた。