以前に公演の様子を紹介したテネモスの飯島秀行氏はこんなモーターも作っている。

電圧は印加するが電流は0になるという。

このモーターを作ってみたい。ということで調査開始。特許が出ている。特許公開2010-63214

特許文献を読んでみるが、実際にどうやって作るか具体的なことは書かれていない。

理屈を頭で理解した気になって、図面を引いて加工発注。NPSステンレスとアルミのオーダーメイド(個人でも対応してくれます)

部品が納入されたので、早速組み立てです。部材はアルミです。

写真左:
エナメル線をミシン用ボビンに巻いてボルトで留めます。M6でぴったりです。
4つのコイルはとりあえず直列につなぎました。
4V印加して1.3A電流が流れます。

写真右:
φ12のシャフトに円盤(回転子)を固定します。
ネオジム磁石(中央皿ネジ穴付)を4箇所に留めます。

円盤を土台のベアリング穴に差し込んで自由に回転できる状態にします。

”良いタイミングで”コイルに電流を流すと磁石がひきつけられて円盤が回転し、”良いタイミングで”コイルの電流を切ると円盤は惰性で回転を続けることになります。この良いタイミングでコイル電流をON/OFFすることが味噌のようです。
飯島氏特許ではシャフトに四角形カムを取り付けてスイッチをON/OFFすると書かれています。しかし軽いマイクロスイッチと言えどもボタンを押すだけのトルクをかけてしまうととたんに円盤の回転が重くなります。
いろいろやってみようということで第一弾はリードスイッチを使います。

磁気を受けて中の板が曲がって接触し導通するという簡単なものです。

このリードスイッチを”程よい位置に”持ってくると、円盤が一定のスピードで回り続けます。

回っています。・・・楽しい。 が、4V-0.6A。電流ゼロとは程遠い状態です。
リードスイッチは火花が飛び、熱々になります。
(電力損失2.4Wはリードスイッチの損失で、モーター部の電力損失はもっと少ないかもしれません)

最適なスイッチング条件を見つけるのは気の長い話ですね。

このスイッチON/OFFの良い方法を考えていろいろ調べていると、ある疑問にぶつかります。

「これって、いわゆるブラシレスDCモーターと違うのか」

ブラシレスDCモーターというのは、いろいろな仕様があるのですが主なものは、固定子にコイル、回転子に永久磁石と言う構成で、3相駆動で引力と反発力を同時に発生させたりして回転のトルクを強くしています。ホールセンサが入っていて回転子に負担をかけず、コイル位置に対して”最適な磁石の位置で”コイル電流のスイッチングが行えます。FETやIGBTなどのスイッチング素子が組み込まれていますが、外部的にはそれらを意識する必要はなくDC電圧を印加するだけで駆動します。

なんだブラシレスDCモーターを買ってくれば完成だよと思いましたが、ブラシレスDCモーターの負荷をなくしたところで、電流がゼロになるなんていう話は聞いたことがありません。

ブラシレスDCモーターは3相駆動で、常にどこかが動いていて常にどこかに電流が流れることになります。氏言うところの吸うと吐くの呼吸ができていない状態なのです。ということはだ・・・(やっぱり)ブラシレスDCモーターを買ってきて3相のうち2つの相のFETを外してしまえば、1回動いて休んで休んで・・という呼吸のサイクルになりそうな気がする。もちろんトルクは低下するだろうが、自然のサイクルの実験はできそう。

これからフリーエネルギー技術がどんどん解禁になると言う人もいますが、それはどういう形でなされるのか。
大手メーカーがやるのか。しかしある程度大きな企業ではフリーエネルギーなどというワードは今のところタブーです。
私のようなアマチュアにもそういった仕事をする機会が回ってくるのか。今まで封じられていただけでもう技術はとっくの昔から確立しているから必要なのは量産と拡販だけという状況なのかもしれません。

自らを俯瞰するに、アトリエペンギンの研究の原動力は、新技術を開発して広く社会に貢献すること・・・ではなく、宇宙と自然の法則を知りたい、それを使ってみたいということなのです。ナンバー1でもオンリー1でもある必要はありません。ただ「知りたい」という欲は始末が悪いですね(笑) つづきます。

★追記:2011.7.10

リードスイッチはダメでした。高速スイッチングに向かず、寿命も短く、スイッチONになりっぱなしになってしまいます。

エネルギーロスのないスイッチング方法を考えるのにも苦労しています。ベアリングも重くロスだらけです。

そもそもロスを減らして、効率を上げて、というのはまったく従来のアプローチで、その延長線上に電流ゼロの状態はないことは容易に想像できます。効率を上げることに始終してはいけません。

今日は、ブラシのスイッチを試作してみました。

自動でいつまでも回るようになりました。一歩前進です。

しかしながら、電源は9Vで電流は0.4A。これより下がりません。

ON/OFFのタイミングの問題なのかな。シャフトに四角形のカムを取り付けて微妙に角度調節をしてみようかと思います。